第三の生活がスタート

10月15日(200日目)

記念すべき永寿へのゆき譲渡の日。いよいよ再出発の日だ。

今日はたくさんの取材の方に囲まれてる。しかし、いつも通りに、♪ルンルン♪なゆき。体調も、気分も良さそう。

愛犬オーナーの方からいただいた手作りの服を着せてあげる。

今年の春、アカデミーの生徒達に囲まれて、尻尾を下げていたゆきが、いまでは名前を呼ばれると、自分から寄っていくようになった。

ちょっとした一芸も覚えて、愛嬌をふりまくようにも。

大学の施設を出て、名前をつけてもらって、伊丹に来て、明るい人たちに囲まれて、どんどん表情豊かになっていった7ヵ月間。

たくさんの人に応援していただいて、助けられて、セラピードッグとしていまこうして再出発することができる。

「よくやったね」という達成感と、今後のゆきへの応援の気持ちで、明るく送り出してあげようと思う。

ドッグトレーナーとしての自信が少し持て、勉強もたくさん出来た。

すべて、ゆきのお陰だよ。

2人の合言葉は、ゆっくり、マイペース!

ありがとう、ゆき! ガンバレ、ゆき!

普通の犬ならば、訓練期間が3カ月ほどでセラピードッグとして巣立ってゆく。しかし、ゆきは約7ヶ月という倍の時間がかかった。

施設で生まれ、施設のケージの中だけで2年間生きてきたゆきにとって、ある意味でやむを得ない7ヵ月ともいえた。

生きる力を蓄え、生活の基本を身につけ、セラピードッグとしての課題を1つ1つ乗り越えた7カ月。

てんかんという持病を持ちながらのその訓練は、永池という献身的なトレーナーがいなければ挫折していたかもしれない。

永池にとっても、よくここまで育ってくれたという思いで胸がいっぱいであった。

1月に初めてゆきに会ったとき、「この犬は、セラピードッグとして訓練するのは難しい」と感じていた自分自身のことを思い起こし、永池は自らの成長に驚き、7ヵ月一緒に歩んできたゆきに、すなおに感謝するのであった。

2003年10月15日、こうしてゆきは大阪市平野区にある永寿特別養護老人ホームにセラピードッグとして引き取られ、第3の生活をスタートさせることになる。