発作が心配で

最近は、人間に対しても少し甘えるようになってきた。

自分と人との距離感覚がようやくつかめるようになってきたのだろう。

4月29日(30日目)

夜、様子を見に行く。

ゆきとの遊びが少し分かってきたような気がする。

走って、回って、「オイデ!」と共に、振り向いてから飛び込んできた。

ただし、集中力が切れるのが早い。

4月30日(31日目)

ゆきは、よく笑うようになった。私自身も明るくなった。

ヒザの上にあごを乗せたり、手をペロペロなめたり、甘える仕草も増えてきた。

訓練計画表を上司に提出。課題も新たに見つかった。

やっと向き合えたのか、ようやくスタートという感じ。

ゆきの調子があまり良くない。

永池は心配で家に帰ることも出来ず、まるまる一週間協会に泊り込んで彼女の面倒をみた。

ケージの側に毛布を敷いて、夜はゆきの側で寝る。

少し物音がすると目が覚め、ほとんど寝ずの看病といってもいい状態であった。

ゆきにとっても、四六時中いつも自分の横に人がいたことになり、生まれて初めての経験となった。

この時を境にして、ゆきに永池の気持ちが通じたのか、本当に信頼できる人はこの人しかいない、と考え始めるようになったようだ。

永池にとっても、この1週間のゆきとの「共同生活」を経験して、本当の意味でゆきと心身ともに一緒になったという思いがしてきた。

5月4日(35日目)

犬舎泊まり7日目

今後24時間体制でかかわるなら、新しい環境に慣れさせようと考え、今日から自宅へ連れて帰る。

5月5日 (36日目)

午後10時半、2分ぐらいのけいれん発作。

5月12日(43日目)

意識が戻るまで二分。けいれんは1分でおさまる。

2分後、フラフラと立ち上がるが、倒れる。

意識がもどると、水を大量に飲む。

ここ2週間、24時間体制でゆきとつき合ってきた永池。このまま続けても大丈夫なのかどうか、獣医に相談する。

いつも一緒にいると、逆に「分離不安」を起こす可能性あるとのこと。いまの段階で、けいれんで命を落とすことはなく、他の症例を見ても、発作で死んだケースはないらしい。

今夜から犬舎にゆきをおいて帰る。心配だが、がんばれ、ゆき!