65. 「食料がなくなる日」

このところ、国内外で起こっているBSE(狂牛病)や鶏インフルエンザウィルスの問題で多くの食料を海外の輸入に頼っている日本にとっても深刻な食糧問題が勃発している。米の減反政策などで日本の食料自給率も1960年度が80%であったのに、2000年度は40%に落ち込んでいる。輸入元は殆どが米国であり、肉類、小麦、大豆、オレンジがトップを占めている。

野菜類は中国がトップであるものの、二位にはやはり米国が並んでいる。

政治家は自分の国民を守るのが責任であるのに、他国に尻尾を振り続けて来たつけがここに来て現れている。今やミサイルや核を使用しなくとも日本を降参させようと思えば食料封鎖を行えば良い。

経済第一の国だと思っていても、他国に依存している食糧を絶やされてしまえば、たちまち日本人は枯渇してしまう。いくらコピーが得意な日本人であっても原料となるものがなければ作ることも出来ない。かといって、今更、国土を米の国に戻そうと思っても、元の豊かな土に戻すには何十年もかかってしまうだろう。

経済効果だけを追い求めて欧米の先進諸国の物真似をして来た日本は近隣の東南アジア諸国の食糧自給率の高さには目もくれず、常に経済大国であることの自己満足的国民性に酔って来た。中流以上の家庭を意識し、東南アジア諸国の国民を哀れんで来たが、今度は逆の立場になる恐れが十分ある。別に牛肉や鶏肉を食べなくても死ぬわけじゃ無し、朝食もパンから米食に戻しても問題がある訳ではないだろう。輸入国の米国との摩擦は起こるだろうが、何よりも日本国民の食糧事情が第一であるので、いつか食料がなくなる日を迎えるような綱渡り的外交はやめて、一日でも早く、安心して明日の食べ物の心配をしなくて済むような国に戻して欲しい。金だけではなく、人も出せと言われて復興支援という名目で、初の海外進出に決まった自衛隊だが、一方でイラン地震で何万人もの犠牲者が出ている国に対してNPO主体のボラ活動に主体を置いている。

過去に経験した阪神淡路大震災の時を髣髴とさせる国のやりかたである。

本来はこんな時こそ、自衛隊の本隊を出して「さすがに日本!」と言って貰いたいと思うのは私だけであろうか?

ある政治家が言ってたが、本当に困っている国家を助けることによって自分の国が窮地に陥った時に必ず同様の援助が期待されると聞いて、納得した。

決して何とかムネオとかいう名前の政治家の話ではないが、以前、日本の米の備蓄がなくなるという噂が広まった時にタイやフィリピンが手を差し伸べてくれた経緯がある。それを一部のものがまずいとか畑のこやしにしたとかの話を聞いた時は情けなく思えた。まさに飽食国家日本の醜い姿である。

こんなことをしていると、本当の食糧危機がやってきた時にこれまで馬鹿にし続けて来た米食系アジア民族からも見放される危険が充分あると思うが如何だろうか?