自分でホームページ(HP)を立ち上げ、初めて「荒らし」なる言葉を聞いた。チャンバラ映画では良く「賭場荒らし」などという言葉が使われているが、まさか、他人のHPまでにそのような連中が現れるとは思いもしなかった。荒らしにはわざと、ゲストや管理人を怒らせるような書き込みをしたり、業務用の宣伝を片っ端から貼りつけたり、とにかく、土足で家の中まで入り込むような行為を平気でする連中のことをいうのだそうだが、その為にサイトを閉じた方もいるようだ。ホームページが有名になればなるほど荒らしに晒される危険性が多いと言われており、「佐藤さんのHPも有名になったもんだ」と聞きますが、管理者としては嬉しくとも何とも思わない行為である。直接、会って対話を行う場所でない為に、好き放題のことを書くし、ゲストとも平気で喧嘩をする。如何にも親切ごかしに書いてあっても、他のHPを見に行くとボロクソに批判している人もいるし、そんな裏行為を発見したりすると、徐々に人間不信に陥ってしまうのである。多くの方はハンドル名といって、実名を名乗らず書き込みをされるのがこの世界の常識のようになっているが、その割にはネットマナーを厳しく追及してくる人もいる。初心者にはどのようなマナーが存在しているか判らないので、つい、書き込んだ先の管理者やゲストの方に迷惑をかけてしまう危険性も存在している。私もまだ、他人のHP内で遊ばせて頂いていた時に、一度だけ、苦い経験をした。旅行先で撮った人物写真を管理人の了解の下にアップしてもらったのだが、その方から、猛烈な抗議を頂戴して、数時間後に削除依頼を出した。カラオケスナックで一緒に歌っていたHPつながりの友人達だったが、余りにも楽しそうな顔で歌っていたので、カメラを向けるとVサインをしながら、こちらを向いてくれた。お互いに写真を取り合ったものも含めて、アップしてもらったのだが、その人達はこちらのHP管理人とも付き合っていた人なので、問題になるとは思いもしなかった。そのHPは関西の仲間の顔写真を堂々と常日頃から掲載していたので、地方の仲間になった人達も当然、納得してくれていると思っていたのが間違いだったようだ。その後、半年以上も名指しでその方のHPで晒され、何度もお詫びしたが、聞き入れては貰えなかった。それが元でその方達とは縁が切れてしまったが、その方達の要請でいつものコースとは違う遠回り便で飛行機を使ってまでわざわざ会いに行ったにも関わらず、一枚の写真で友人関係が壊れるのはHPとしての特殊な世界と思ったのが正直な感想であった。だからこそ、私がHPを持とうとした時はバーチャルな世界は一切作らず、すべて正直に書こうと思ったのである。アンのこともエッセイも含めて、すべて発信する言葉はありのままに表し、読まれた方の感想もすべて受け入れる。そして、その感想に対しても正直な気持ちをぶつける。それで、相手が去って行っても仕方がないと思っている。掲示板に書いてくれた人には出来るだけ素早い返事を書くことを心がけることも私のスタンスとして、この一年間を過ごして来た。メールも沢山頂戴したし、それが縁で違った世界を知ることも出来た。私のHPは自分を丸裸にして、プライバシーはなくなってしまうと心配する友人もいるが、それでもかまわないと思っている。だからこそ、実名でHPを立ち上げたのだし、私のHPに来られる人も例え、ハンドル名であったとしても、正直な人々であると信じたかったのである。不特定多数の人が見ているHPに期待はしては駄目であろうが、まさか、私のHPに荒らしが現れるとは思わなかった。ましてや、その荒らしの主があるサイトの管理者を自殺未遂まで追い詰めた者と認識していたので、青天の霹靂であった。何が目的でこのような荒らし行為をするのかわからないが、これは亡きアンへの冒涜行為でもあるので、私は徹底的に闘うつもりでいる。今は発言の削除やアクセス拒否、完全無視などの対抗手段で闘っているが、メールでも脅迫文章を送って来る始末である。自殺未遂をした管理者はその者を警察に訴えているが、今までになかった犯罪行為である為に、警察の動きも緩慢である。以前、猫の虐殺シーンをHP上で流し、逮捕劇までなった事件や、神戸の児童殺傷事件でも犯人はバーチャルな世界と現実世界を混同し、最後には不幸な結果となっているにも関わらず、こういう行為が堂々と行われている現実にHP初心者は大いなる畏怖を覚えるのである。