24.「ボケ症状?」

最近、特に忘れ物が多くなって来た。バスの車内や電車内でも座席の横に置いてある品物なのに、降車の際に気づかず、そのまま降りて後から慌てて係の人に問い合わせをすることがたびたびである。先日も大きな茶封筒を膝横に置いたまま、降りて慌てて引き返したが、バスは発車したところであった。忘れ物係の人に事情を説明して、後日、取りに行くことになったが、たまたま封筒の表に小生の名が書いてあったので無事に戻って来た。

もっと、ひどい時には趣味の釣りで、大失敗したことだ。錘を投げる際に指先にかかるショックを和らげるために指サックというものがある。それを装着したまま、防寒着を着て、先だけがはずれた状態で、袖の中に仕舞い込まれていたのに、気づかず、一生懸命探したのである。結局、リュックサックの中や周囲の道端にも見つけることが出来ず、一日の釣りが終わってから服を脱いだ時にポタリと何かが落ちた。よく見ると例の指サックであった。

また、通勤電車内ではあと一駅というところで必ず眠くなる。それまでは本など読んでいたのに、少しだけ休憩と、目を閉じた瞬間に寝てしまうことが多い。往路は終着駅が目的地なので問題はないが、帰路は次の駅が和歌山である。快速電車なので止まらない。トンネルの中に入った頃に気づくが時すでに遅し、最終電車だと和歌山からタクシーに乗って自宅に帰るはめになる。相当な距離なので運賃は馬鹿にならない。夕食を作って待っている家族には怒られるわ、寝る時間はないわで踏んだりけったりである。

いよいよ、ボケ症状の始まりかな?と思っているが、人間の脳は生きてゆくのに必要な部分はなかなか故障することはない。しかし、誰だってそういう時期が来るし、いずれは家族の世話になることもあろうが、ボケてしまった人間は社会のしがらみから離れて、自分自身の殻の中に閉じこもる分、意外と幸せなのかも知れない。