今回、本を出版するにあたって、アンのお母さんにその報告をすることと、少し確認したいことがありお手紙を差し上げました。
お母さんからのご返事で、新しい事実が明らかになっております。補足して、ここにご紹介したいと思います。
彼女の手紙によると、アンは日本での無理な生活がたたって肝臓を悪くしたこと。帰国後も入院生活を送っていましたが、一旦は持ち直したこと。イタリアで動物福祉のボランティアを再開したものの、結局は一年足らずでまた倒れてしまい、大勢の友人が見守る中、天国に召されたことなどが書かれていました。
最後まで、日本の動物実験に使われるイヌのことを心配し、途中で仕事を投げ出したことに随分気にしながらの最期であったことも付け加えられていました。
また、そこには、アンの小さい頃のこと、仕事を始めるころのことも書かれてありました。
それによると、彼女は四歳の時から多くの小動物に囲まれた生活をしていました。
10歳になって初めて犬を飼って、動物に対する責任感がこの頃から芽生えたといいます。馬やロバを飼った経験もあるそうです。
12歳から18歳まで獣医訓練所で働きました。このことが彼女の知識と技術の向上にたいへん役立ったとのことです。
大人になってから、国の癌調査機関の実験動物の世話をしていましたが、そこで実験動物福祉の重要性に目覚め、同僚にもその必要性を説いていました。
その後、英国福祉協会のメンバーとなり、訪日したのは前述した通りです。