「犬と関わりのある仕事をしたいと願っていた私は、この求人広告を見て、『あっ、これだ!』と思い、さっそく応募して募金活動の輪の中に加わっていきました。
熱心に活動をすすめているスタッフの姿を間近に見て、こんな仕事があるんだと感動しました。
彼らは、有意義な活動をしているという向上心を常に持っていて、さらに、犬を心から大事にしているその姿勢に一種憧れのようなものを抱きました。
『あぁーっ、私もこんな仕事ができたらなーっ』と思いました。
長崎から出てきて、毎日生活のためだけにアルバイトをし、少し目標を失いかけていた私にとっては、本当に刺激的な活動でした。
『あなたの天職はこれだ!』と、突きつけられたような衝撃を受けたんです。
この組織ならば、ボランティアとしてでなく、プロとして犬を助けられる仕事が出来ると強く感じたものでした。
こうして、私はしばらくの間、週末は街頭募金、平日は別のアルバイトという生活をしました。
そして、きちんとしたプロの仕事をするために、ドッグトレーナーを養成する学校に入ろうと思ったのです」
ゆきと出会ったのは、永池が日本レスキュー協会に就職した3年目の冬のことであった。